AWS Elemental MediaStore
AWS Elemental MediaStoreは2025年11月13日に提供終了。旧オリジンの参照先を棚卸しし、単純な静的配信はS3、高度なライブ包装はMediaPackage v2へ再構築する。
- MediaStoreは2025年11月13日に終了し、現在は利用できない。
- 旧コンテナ・設定・APIにはアクセスできず、終了前の退避が前提だった。
- 残存参照を除去し、S3かMediaPackage v2へ経路を作り直す。
解決する課題
AWS Elemental MediaStore は、ライブ動画のマニフェストと短いセグメントを低遅延で読み書きする配信元として提供されていました。2025年11月13日に提供終了し、現在はコンソール、コンテナ、設定、APIを利用できません。本記事は新規採用の説明ではなく、旧構成の残存参照を見つけて移行先へ切り替えるための記録です。
終了後にMediaStoreからデータや設定を取り出すことはできません。必要なオブジェクトやポリシーを終了前に退避していない場合は、S3の複製、バックアップ、IaC、配信元の原本など、別に残した情報から復元します。
主要概念と用語
- コンテナ: 旧MediaStoreの名前空間。マニフェスト、セグメント、ポリシーを格納していた
- データエンドポイント: 旧コンテナへHTTPで読み書きしたURL。終了後は利用できない
- 配信元(オリジン): CloudFrontがマニフェストやセグメントを取得する大元
- 残存参照: CloudFrontのオリジン、MediaLiveの出力、アプリ設定、DNS、監視、IAMに残ったMediaStoreのURLやARN
- 移行先: 既成ファイルを配る単純な用途はS3、高可用なライブ入力・動的包装・時間差再生・DRMが必要ならMediaPackage v2
仕様・制限・クォータ
- MediaStoreの提供終了日は2025年11月13日
- 終了後は、コンソール、リソース、機能、管理・データAPIを利用できない
- 旧コンテナにしか存在しなかったデータを、現在のMediaStore APIで回収する方法はない
- 旧クォータや性能値は新規設計の根拠にしない。移行先でS3、CloudFront、MediaPackage v2の上限を確認する
内部の仕組み
横にスクロール
旧経路は、エンコーダがMediaStoreへマニフェストとセグメントを書き、CloudFrontがそれを取得する構成でした。移行では製品名を置換するだけでなく、用途に応じて処理経路を分けます。
- S3へ移す経路: エンコーダまたは後処理がS3へ完成済みファイルを書き、CloudFrontがS3を配信元として取得する
- MediaPackage v2へ移す経路: MediaLiveなどが二つの取り込み口へ同じライブを送り、MediaPackage v2がHLS・DASH、時間差再生、暗号化を動的に提供する
- 切替点: CloudFrontのオリジン、キャッシュ動作、署名付きURL、DNS、プレーヤーのマニフェストURLを新しい経路へ変更する
- 保全点: 原本、変換結果、構成、鍵、監視履歴は移行先ごとに保存期間と復旧手順を定める
設計パターン / ベストプラクティス
- CloudFront、MediaLive、設定リポジトリ、環境変数、DNS、IAMから
mediastoreの参照を検索する - 既成セグメントの保存・配信だけなら、非公開S3バケットとCloudFrontのオリジンアクセス制御を使う
- ライブの二重入力、動的包装、時間差再生、SPEKEによるDRMが必要ならMediaPackage v2を選ぶ
- 旧URLをそのまま維持できる前提を置かず、新旧URLを並行検証してDNSまたは配信設定を切り替える
- マニフェスト、字幕、SCTE-35、暗号鍵、キャッシュキー、署名付きURLを実際のプレーヤーで確認する
運用・監視
- CloudFrontの配信元ドメインにMediaStoreが残っていないかを定期検査する
- MediaLiveの出力先、秘密情報、IAMポリシー、アラームから旧ARN・URLを削除する
- 新経路では、入力到達、マニフェスト更新、セグメント生成、CloudFrontの4xx・5xx、キャッシュヒット率を同じ時系列で追う
- 切替後も旧URLへの要求をログで確認し、利用者やプレーヤーの更新漏れを特定する
コスト
MediaStoreの料金を見積もる段階は終わっています。移行後は、S3の保存・要求・転送、MediaPackage v2の取り込み・配信元出力、CloudFrontの要求・配信量を別々に見積もります。二重送出期間は新旧経路の費用が重なるため、検証期間と終了条件を先に決めます。
セキュリティ
- 旧MediaStore用のIAM権限、資格情報、秘密情報を棚卸しし、依存が消えたものを失効させる
- S3移行では匿名公開せず、CloudFrontのオリジンアクセス制御と最小権限のバケットポリシーを使う
- MediaPackage v2の取り込みはSigV4とチャンネルポリシーで許可元を限定する
- DRM、署名付きURL、Cookieは配信元の移行だけでは自動移行されないため、鍵の発行・失効経路まで再検証する
関連サービス・比較
| 用途 | 移行先 | 利用側で設計する点 |
|---|---|---|
| 完成済みファイルの保存・配信 | S3 + CloudFront | 書き込み整合、公開範囲、キャッシュ、保存期間 |
| ライブの動的包装と冗長化 | MediaPackage v2 + CloudFront | 二重入力、出力形式、時間窓、DRM、v1との切替 |
| 録画済み動画の変換 | MediaConvert + S3 + CloudFront | ジョブ再実行、出力公開、長期保存 |
ハンズオン / CLI例
MediaStoreの新規作成・照会コマンドは現在利用できません。代わりに残存参照と移行先を確認します。
# CloudFrontの配信元ドメインを棚卸し
aws cloudfront list-distributions \
--query "DistributionList.Items[].{Id:Id,Origins:Origins.Items[].DomainName}"
# MediaLiveの既存チャンネルと出力設定を確認
aws medialive list-channels \
--query "Channels[].{Name:Name,Id:Id,State:State}"
# MediaPackage v2の移行先候補を確認
aws mediapackagev2 list-channel-groups \
--query "Items[].{Name:ChannelGroupName,Arn:Arn}"
AWS Service
AWS Elemental MediaStoreを実務で読む
TL;DRは入口です。実際に選ぶ・使う段階では、何を解決するか、何と比較するか、導入後にどこで詰まるかまで見る必要があります。
解決すること
メディア
比較で見る軸
クラウド: AWS / カテゴリ: メディア / 難易度: intermediate
導入後に効く点
旧コンテナ・設定・APIにはアクセスできず、終了前の退避が前提だった。
先に潰すリスク
サービス単体ではなく、権限、ネットワーク、監視、課金、バックアップを含めて設計する必要がある。
- クラウド
- AWS
- カテゴリ
- メディア
- 難易度
- intermediate
- 関連資格
- DVA-C02
- 設計柱
- performance / reliability
判断チェックリスト
- 自社の用途が「メディア / performance」に近いか確認する。
- 強みである「MediaStoreは2025年11月13日に終了し、現在は利用できない。」が本当に評価軸になるか確認する。
- 注意点の「サービス単体ではなく、権限、ネットワーク、監視、課金、バックアップを含めて設計する必要がある。」を運用で吸収できるか確認する。
- 公開値や仕様値は、対象プラン・対象機種・対象リージョンまで確認する。
- 既存システム、ID、ネットワーク、監視、バックアップとの接続方法を先に洗い出す。
- 小さく試してから、本番移行、権限設計、障害時手順、コスト監視を決める。