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AWS Elemental MediaPackage

MediaPackage v2はライブ入力をHLS・DASHへ動的に包装する配信元。新規ライブはv2を使い、分離されたv1資源は自動移行されないため並行検証して切り替える。

中級DVA-C02信頼性セキュリティパフォーマンス効率
最終更新: 2026-07-29公式ドキュメント
3つの要点
TL;DR
  1. v2はHLS・CMAF入力をHLS・DASHへ動的に包装する。
  2. 二つの取り込み口、時間差再生、SPEKE暗号化を配信端点で制御する。
  3. v1とv2は別APIで自動移行がなく、新旧を並行検証して切り替える。

解決する課題

AWS Elemental MediaPackage v2 は、MediaLiveなどから届くエンコード済みライブを保持し、端末に合わせたHLS・DASHへ要求時に包装する配信元です。CloudFrontを前段に置くことで、入力、包装、配信の責任を分離できます。

  • 一つのライブ入力から、異なる端末向けの配信形式を動的に返す
  • 二つの取り込み口を使い、片系のセグメント欠落時に入力を切り替える
  • 時間差再生、SCTE-35、SPEKE v2によるDRMを配信端点ごとに制御する
  • v1からv2へ、URL・API・設定を作り直して段階的に切り替える
v1とv2は別の資源

v2は2023年5月に公開され、新規ライブ構成で推奨されています。v1からの自動移行はなく、v2のCLI・APIからv1資源は見えません。2026年7月29日時点で公式なv1提供終了日は確認できないため、「終了済み」とは扱わず、旧世代として移行を計画します。

主要概念と用語

  • チャンネルグループ: v2の最上位単位。チャンネルをまとめ、配信元のドメインを共有する
  • チャンネル: ライブ入力を受ける単位。作成時にHLSまたはCMAFの入力種別を固定する
  • 二重取り込み口: 各チャンネルに払い出される二つのURL。同じ内容を同時送出すると片系断に備えられる
  • 配信端点: HLSまたはDASHの包装、時間差再生、SCTE-35、暗号化を定義する出力口
  • 時間差再生: 保存窓内の過去時刻を始点にしたマニフェストを返す機能
  • ライブからVODへの収穫: 指定区間を同一リージョンのS3へ書き出す処理
  • SPEKE v2: DRM鍵プロバイダーとMediaPackageを結ぶ暗号鍵交換仕様
  • v1のVOD資源: パッケージグループやアセットはv1側の概念。MediaPackage v2はライブ用で、録画済みVODの新規変換はMediaConvertとS3などを検討する

仕様・制限・クォータ

  • 入力はHTTPSで送るHLSまたはCMAF。入力種別はチャンネル作成後に変更できない
  • HLS入力はTS、CMAF入力はCMAFセグメントを使う。新しいMediaLive連携ではCMAF入力を優先する
  • 出力はHLS(TSまたはCMAF)とDASH(CMAF)。AV1はCMAF端点だけで利用できる
  • 既定上限は、チャンネルグループ3件/アカウント、チャンネル10件/グループ、配信端点10件/チャンネル、マニフェスト25件/配信端点
  • 時間差コンテンツの最大保持は336時間、1本の時間差マニフェストは最大24時間
  • ライブからVODへの収穫は1回最大24時間で、v2配信端点から同一リージョンのS3へ出力する
  • 入力要求は200件/秒/チャンネル、配信端点はセグメント500件/秒・マニフェスト10,000件/秒が既定上限。変更可否はService Quotasで確認する

内部の仕組み

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MediaLiveの二重出力をMediaPackage v2で取り込み、HLS・DASHへ包装してCloudFrontへ返す図
MediaPackage v2は二重取り込み、動的包装、時間差再生、暗号化を担います。v1からの自動移行はないため並行検証が必要です。
  1. MediaLiveまたは外部エンコーダが、チャンネルの二つの取り込み口へ同一内容を送る
  2. MediaPackage v2が到着セグメントを保持し、片方が欠落すると利用可能な入力へ切り替える
  3. CloudFrontまたはプレーヤーが配信端点へマニフェストを要求する
  4. 配信端点がHLS・DASH、時間窓、SCTE-35、暗号化設定を反映して応答する
  5. CloudFrontが応答をキャッシュし、視聴者へ配る

切替時に入力のセグメント長が一致しないと、URLや時系列が変わる場合があります。短いセグメントは切替時の待ちを減らせる一方、要求数と処理負荷を増やします。

設計パターン / ベストプラクティス

  • MediaLiveからv2へはCMAF取り込みを優先し、二つの取り込み口へ同一設定で送出する
  • CloudFrontを前段に置き、視聴者をMediaPackageへ直接集中させない
  • 時間差の保持は必要範囲だけにし、24時間を超える長期保存はS3への収穫・録画で分離する
  • DRMはSPEKE v2対応の鍵プロバイダー、再生端末、鍵ローテーションまで通しで検証する
  • v1→v2は、チャンネルグループ・チャンネル・配信端点・IAM・ログ・CloudFrontオリジンを新規作成し、二重送出してから切り替える
  • マニフェスト、字幕、SCTE-35、DRM、時間差URL、プレーヤー互換性を新旧で比較する

運用・監視

  • 取り込み要求、入力切替、入力・出力バイト、配信端点の4xx・5xxをCloudWatchで監視する
  • MediaLiveの出力状態、MediaPackageの入力状態、CloudFrontの障害率を同じ時系列で関連付ける
  • アクセスログを有効化し、マニフェストとセグメントの失敗を分けて調べる
  • 両入力が止まると新しいセグメントは進まない。入力元、MediaPackage、CloudFrontの順に切り分ける
  • v1移行後は、旧URLへの要求がなくなったことを確認してから旧資源を停止する

コスト

主な課金軸は取り込み量と配信元からの出力量です。CloudFront、MediaLive、S3収穫、DRM鍵サービスの費用は別にかかります。形式数そのものより、実際に要求される出力量と視聴量を基に見積もり、新旧並行期間の二重費用も含めます。

セキュリティ

  • v2の取り込みはSigV4で認証し、チャンネルポリシーを最小権限にする
  • 別アカウントのエンコーダだけを許す場合は、対象プリンシパルと資源をポリシーで限定する
  • 配信はCloudFront経由に寄せ、署名付きURL/CookieやWAFで視聴範囲を制御する
  • DRM鍵はSPEKE v2で受け、鍵サービスの認証・可用性・監査も監視する
  • 入力セグメントは暗号化済みで送れないため、転送経路のTLSと取り込み権限を確実に保護する

関連サービス・比較

観点MediaPackage v2MediaPackage v1
推奨用途新規ライブ構成既存の旧世代構成
資源階層チャンネルグループ→チャンネル→配信端点チャンネル→配信端点、VODは別資源
入力HLSまたはCMAF、二重取り込みHLS取り込み
APImediapackagev2mediapackage / mediapackage-vod
移行v1資源を自動読込しないv2へ自動変換されない

ハンズオン / CLI例

# v2のチャンネルグループを確認
aws mediapackagev2 list-channel-groups \
  --query "Items[].{Name:ChannelGroupName,Arn:Arn}"

# 入力種別を含めてチャンネルを確認
aws mediapackagev2 list-channels \
  --channel-group-name my-channel-group \
  --query "Items[].{Name:ChannelName,Input:InputType,Arn:Arn}"

# 配信端点を確認
aws mediapackagev2 list-origin-endpoints \
  --channel-group-name my-channel-group \
  --channel-name my-live-channel \
  --query "Items[].{Name:OriginEndpointName,Type:ContainerType}"

AWS Service

AWS Elemental MediaPackageを実務で読む

TL;DRは入口です。実際に選ぶ・使う段階では、何を解決するか、何と比較するか、導入後にどこで詰まるかまで見る必要があります。

解決すること

メディア

比較で見る軸

クラウド: AWS / カテゴリ: メディア / 難易度: intermediate

導入後に効く点

二つの取り込み口、時間差再生、SPEKE暗号化を配信端点で制御する。

先に潰すリスク

サービス単体ではなく、権限、ネットワーク、監視、課金、バックアップを含めて設計する必要がある。

数字・仕様の読み方
クラウド
AWS
カテゴリ
メディア
難易度
intermediate
関連資格
DVA-C02
設計柱
reliability / security / performance

判断チェックリスト

  • 自社の用途が「メディア / reliability」に近いか確認する。
  • 強みである「v2はHLS・CMAF入力をHLS・DASHへ動的に包装する。」が本当に評価軸になるか確認する。
  • 注意点の「サービス単体ではなく、権限、ネットワーク、監視、課金、バックアップを含めて設計する必要がある。」を運用で吸収できるか確認する。
  • 公開値や仕様値は、対象プラン・対象機種・対象リージョンまで確認する。
  • 既存システム、ID、ネットワーク、監視、バックアップとの接続方法を先に洗い出す。
  • 小さく試してから、本番移行、権限設計、障害時手順、コスト監視を決める。

次に確認する観点

メディアreliabilitysecurityperformanceDVA-C02