クラウドサービス

AWS Resource Explorer

既定で利用できる部分検索から、利用者所有インデックス・集約リージョン・組織検索へ拡張し、AWS資源を横断検索するResource Explorer。

基礎SOA-C02CLF-C02運用上の優秀性
最終更新: 2026-07-29公式ドキュメント
3つの要点
TL;DR
  1. 2025年10月以降は既定有効で、権限に応じたリージョン内の部分検索を設定なしで始められる。
  2. 完全な結果や全リージョン検索には利用者所有インデックスと集約リージョンを構成する。
  3. Organizations連携とビューで、複数アカウントの検索範囲と閲覧権限を分離できる。

解決する課題

AWS の利用が複数リージョンに広がると、「あのEC2インスタンスはどのリージョンに作ったか」「このタグが付いたリソースはどこにあるか」が分からなくなります。リージョンごとにコンソールを切り替えて目視で探すのは非効率で、見落としも起きやすいものです。

Resource Explorer はアカウント内のリソースを自動でインデックス化し、次のような価値を提供します。

  • リージョンをまたいでリソースをキーワードで横断検索できる
  • リソース種別・タグ・リージョンなどの条件で絞り込みできる
  • 検索結果から該当リソースのコンソール画面へ直接遷移できる

主要概念と用語

  • Resource Explorer所有インデックス: 既定で部分検索をすぐ返すサービス管理のインデックス。完全な資源一覧を保証しない
  • 利用者所有インデックス: 継続更新される完全な検索結果、ビュー、集約検索に使う管理対象インデックス
  • ローカルインデックス(Local Index): そのリージョン内のリソースだけを保持するインデックス。リージョンごとに1つ作成する
  • 集約インデックス(Aggregator Index): 全リージョンのローカルインデックスの内容を集約するインデックス。アカウントにつき1リージョンだけ指定でき、ここから全リージョンを横断検索できる
  • ビュー(View): 検索の入り口となる定義。どのリソースを検索結果に含めるかのフィルタや、検索範囲を定める。利用者にはビュー単位で検索権限を付与する
  • デフォルトビュー(Default View): そのリージョンで明示的にビューを指定しなかったときに使われる既定のビュー
  • クエリ(Query): 検索文字列。フリーテキストのほか、resourcetype:tag: などのキーワードで条件を指定できる
  • マルチアカウント検索: AWS Organizations と連携し、組織内の複数アカウントのリソースをまたいで検索する機能

仕様・制限・クォータ

  • 2025年10月6日以降は初回設定なしでも既定の部分検索を利用できる。ただし完全な結果には利用者所有インデックスが必要
  • 全リージョン横断の完全検索には集約インデックスの指定が必須。集約インデックスはアカウントにつき1リージョンのみ
  • インデックスへの反映には時間差があり、リソースの作成・削除が検索結果に反映されるまで多少のラグがある
  • すべてのAWSリソース種別が対象とは限らず、サポートされるリソース種別の範囲内でインデックス化される
  • 検索はビューに対して行われ、利用者の検索可否はビューへのアクセス権限で制御される
  • マルチアカウント検索は AWS Organizations の構成が前提となる

内部の仕組み

横にスクロール

既定の部分検索から利用者所有インデックス、集約リージョン、Organizationsの複数アカウント検索へ拡張するResource Explorerの流れ
即時の部分結果と完全な検索結果を区別します。全リージョン・全アカウント検索では集約先、信頼されたアクセス、ビュー権限を設計します。

Resource Explorerは既定のサービス所有インデックスから即時の部分結果を返します。完全な資源一覧と自動更新が必要な場合は、対象リージョンへ利用者所有インデックスを構成します。

全リージョンを1か所から検索するには、いずれか1つのリージョンを集約インデックスに指定します。各リージョンのローカルインデックスの内容が集約インデックスへ複製され、その結果として集約インデックスのあるリージョンから全リージョンのリソースを横断検索できるようになります。

検索はビューを通じて行われます。ビューにはフィルタを設定でき、検索結果に含めるリソースの範囲を絞れます。利用者にはビュー単位で権限を付与するため、「特定のチームには特定のリソースだけ検索させる」といった制御が可能です。

インデックスとビューの役割分担

サービス所有インデックスは即時の部分検索、利用者所有インデックスは完全な検索結果を担います。全リージョン検索では1つを集約インデックスにし、ビューで利用者に見せる資源範囲を分けます。

設計パターン / ベストプラクティス

  • 集約インデックスを早めに用意: 全リージョン横断検索の起点になるため、運用で使うなら最初に集約インデックスを1つ決めておく
  • 完全検索が必要なリージョンを構成: 既定の部分結果で足りない場合は利用者所有インデックスを構成し、集約リージョンへ複製する
  • ビューで検索範囲を分離: チームや用途ごとにビューを分け、必要なリソースだけを検索できるよう権限を最小化する
  • タグ運用と組み合わせる: 一貫したタグ付けをしておくと tag: での絞り込みが効き、棚卸しや調査が格段に速くなる
  • 組織横断は Organizations 連携で: 複数アカウントを運用する場合はマルチアカウント検索を有効化し、アカウントを横断した一覧性を確保する

運用・監視

  • 棚卸しや調査の起点として、リソース種別やタグで対象を素早く特定する用途に向く
  • インデックスの有効・無効や集約インデックスの設定状況をコンソールや CLI で確認し、検索対象のリージョンに漏れがないかを点検する
  • API・CLI から検索を実行できるため、定期的なリソース一覧の取得やレポート生成に組み込める
  • インデックス反映には時間差があるため、作成直後のリソースが見つからない場合は反映待ちを考慮する

コスト

Resource Explorer のインデックス作成・検索機能そのものは追加料金なしで利用できる位置づけのサービスです。エージェントの導入や専用インフラの構築は不要で、既定の部分検索から使い始められます。完全検索やリージョン横断検索が必要な場合は、利用者所有インデックスと集約インデックスを構成します。ただし関連して利用する他サービス(検索結果から遷移した先での操作や、組み合わせて使う自動化基盤など)には、それぞれの料金が発生する場合があります。最新の料金条件は公式の料金情報で確認してください。

セキュリティ

  • 検索の可否はビュー単位の IAM 権限で制御する。閲覧させたいリソースの範囲に応じてビューを分け、最小権限で付与する
  • インデックスやビューの作成・削除といった管理操作も IAM で制限し、設定の改ざんを防ぐ
  • Resource Explorer はリソースのメタデータ(名前・種別・タグ・ARN・リージョンなど)を扱う検索サービスであり、リソース内部のデータを直接読むものではない
  • マルチアカウント検索を使う場合は、組織管理アカウント側の権限委任の設定を適切に管理する

関連サービス・比較

タグを軸にリソースをグループ化・操作する AWS Resource Groups とよく対比されます。Resource Explorer は「どこに何があるかを探す検索」、Resource Groups は「条件で束ねて一括管理する」という役割の違いを押さえます。

観点Resource ExplorerResource Groups
主目的リソースの横断検索と発見条件でリソースを束ねて管理
検索範囲全リージョン横断(集約インデックス)主に同一リージョン内のグループ
主な軸キーワード・種別・タグタグやスタックなどの条件
代表的な使いどころ棚卸し・所在調査の起点グループ単位の一括操作や監視

ハンズオン / CLI例

# 集約インデックスを作成(このリージョンを全リージョン検索の起点にする)
aws resource-explorer-2 create-index --region us-east-1
aws resource-explorer-2 update-index-type \
  --arn <インデックスのARN> \
  --type AGGREGATOR \
  --region us-east-1

# ビューを作成し、このリージョンのデフォルトとして関連付ける
VIEW_ARN=$(aws resource-explorer-2 create-view \
  --view-name all-resources \
  --region us-east-1 \
  --query "View.ViewArn" \
  --output text)

aws resource-explorer-2 associate-default-view \
  --view-arn "$VIEW_ARN" \
  --region us-east-1

# キーワードとリソース種別で横断検索(EC2インスタンスを検索)
aws resource-explorer-2 search \
  --query-string "resourcetype:ec2:instance" \
  --region us-east-1

# タグで絞り込み(特定タグの付いたリソースを横断検索)
aws resource-explorer-2 search \
  --query-string "tag:Environment=production" \
  --region us-east-1

AWS Service

AWS Resource Explorerを実務で読む

TL;DRは入口です。実際に選ぶ・使う段階では、何を解決するか、何と比較するか、導入後にどこで詰まるかまで見る必要があります。

解決すること

管理・ガバナンス

比較で見る軸

クラウド: AWS / カテゴリ: 管理・ガバナンス / 難易度: basic

導入後に効く点

完全な結果や全リージョン検索には利用者所有インデックスと集約リージョンを構成する。

先に潰すリスク

サービス単体ではなく、権限、ネットワーク、監視、課金、バックアップを含めて設計する必要がある。

数字・仕様の読み方
クラウド
AWS
カテゴリ
管理・ガバナンス
難易度
basic
関連資格
SOA-C02 / CLF-C02
設計柱
operational

判断チェックリスト

  • 自社の用途が「管理・ガバナンス / operational」に近いか確認する。
  • 強みである「2025年10月以降は既定有効で、権限に応じたリージョン内の部分検索を設定なしで始められる。」が本当に評価軸になるか確認する。
  • 注意点の「サービス単体ではなく、権限、ネットワーク、監視、課金、バックアップを含めて設計する必要がある。」を運用で吸収できるか確認する。
  • 公開値や仕様値は、対象プラン・対象機種・対象リージョンまで確認する。
  • 既存システム、ID、ネットワーク、監視、バックアップとの接続方法を先に洗い出す。
  • 小さく試してから、本番移行、権限設計、障害時手順、コスト監視を決める。

次に確認する観点

管理・ガバナンスoperationalSOA-C02CLF-C02