SaaSの製品プロフィール

Microsoft Dynamics 365

クラウドサービス / 営業・顧客対応

Microsoft Dynamics 365 は、Microsoft が提供する業務アプリケーション群(クラウドサービス)です。営業・カスタマーサービスなどの CRM 系アプリと、財務・サプライチェーンなどの ERP(基幹業務)系アプリを、用途ごとに選んで組み合わせて利用できます。単一の製品ではなく、複数の業務アプリの集合体である点が最大の特徴です。

3つの要点
TL;DR
  1. 営業支援(Sales)、カスタマーサービス(Customer Service)、フィールドサービス(Field Service)、財務(Finance)、サプライチェーン管理(Supply Chain Management)、人事(Human Resources)など、業務領域ごとのアプリを必要な分だけ導入できる。
  2. アプリ間で顧客・取引先・製品などのデータを共有するため、営業で獲得した情報をサービスや基幹業務へ途切れず引き継げる。
  3. 営業プロセスの標準化に向く

製品の概要

製品の立ち位置

Microsoft Dynamics 365 のロゴ
製品・技術の概要Microsoft Dynamics 365Microsoft Dynamics 365 は、Microsoft が提供する業務アプリケーション群(クラウドサービス)です。営業・カスタマーサービスなどの CRM 系アプリと、財務・サプライチェーンなどの ERP(基幹業務)系アプリを、用途ごとに選んで組み合わせて利用できます。単一の製品ではなく、複数の業務アプリの集合体である点が最大の特徴です。
売上成長
+22%Dynamics 365 / FY26 Q3 前年比
この製品の強み
営業支援Sales)カスタマーサービスCustomer Service)フィールドサービスField Service)財務Finance)サプライチェーン管理Supply Chain Management)人事Human Resources)など業務領域ごとのアプリを必要な分だけ導入できるアプリ間で顧客・取引先・製品などのデータを共有するため、営業で獲得した情報をサービスや基幹業務へ途切れず引き継げる。
向いている場面
営業プロセスの標準化
提供形態
クラウドサービス
主な対象
営業顧客対応
比較の中心
業務適合と定着
カテゴリ
CRM / SFA顧客管理営業支援)
公開資料の確認値Microsoft IR

選定ガイド

選定ポイント

採用する理由と、事前に受け入れるべきトレードオフを分けて確認します。

採用に向く条件

選ぶ理由

  1. 営業支援(Sales)、カスタマーサービス(Customer Service)、フィールドサービス(Field Service)、財務(Finance)、サプライチェーン管理(Supply Chain Management)、人事(Human Resources)など、業務領域ごとのアプリを必要な分だけ導入できる。
  2. アプリ間で顧客・取引先・製品などのデータを共有するため、営業で獲得した情報をサービスや基幹業務へ途切れず引き継げる。
  3. Microsoft 365(Outlook・Teams・Excel など)と同じ ID 基盤(Microsoft Entra ID)で利用でき、メールや会議とのつながりが深い。

事前に確認する条件

考慮すべき点

  1. 入力ルールと運用定着が必要
  2. 既存環境との互換性と移行方法を確認する
  3. 初期費用だけでなく運用負荷まで比較する

詳しい解説

製品を詳しく理解する

どんなサービスか

Microsoft Dynamics 365 は、Microsoft が提供する業務アプリケーション群(クラウドサービス)です。営業・カスタマーサービスなどの CRM 系アプリと、財務・サプライチェーンなどの ERP(基幹業務)系アプリを、用途ごとに選んで組み合わせて利用できます。単一の製品ではなく、複数の業務アプリの集合体である点が最大の特徴です。

もともと Microsoft は CRM 製品の Dynamics CRM と、ERP 製品の Dynamics AX/NAV/GP などを別々に提供していました。これらをクラウド前提で再編し、共通のデータ基盤の上に CRM と ERP のアプリを並べたものが Dynamics 365 です。アプリ単位で契約し、後から領域を足していける構成になっており、CRM から始めて ERP まで段階的に広げる、といった使い方ができます。

横にスクロール

Dynamics 365のCRM系アプリがDataverseの顧客・案件・活動を扱い、FinanceとSupply Chain Managementが専用基盤で会計・在庫・調達を処理し、dual-writeのテーブル対応表を介して双方向同期する構成と、Entra ID・業務単位・セキュリティロールによる権限境界
Dynamics 365は全アプリが一つのデータベースを直接共有する構成ではありません。CRM系のDataverseとERP系の専用基盤を分け、dual-writeでは同期対象・変換・依存順・エラー復旧を運用し、権限と拡張も環境ごとに管理します。

主な特徴

  • 営業支援(Sales)、カスタマーサービス(Customer Service)、フィールドサービス(Field Service)、財務(Finance)、サプライチェーン管理(Supply Chain Management)、人事(Human Resources)など、業務領域ごとのアプリを必要な分だけ導入できる。
  • アプリ間で顧客・取引先・製品などのデータを共有するため、営業で獲得した情報をサービスや基幹業務へ途切れず引き継げる。
  • Microsoft 365(Outlook・Teams・Excel など)と同じ ID 基盤(Microsoft Entra ID)で利用でき、メールや会議とのつながりが深い。
  • データ基盤の Dataverse を共通土台とし、Power Apps・Power Automate・Power BI といった Power Platform でローコード拡張・自動化・可視化ができる。
  • AppSource と呼ばれるマーケットプレースを通じて、業種別ソリューションや追加アプリ、外部システム連携を導入できる。
  • 近年は Copilot による文章生成・要約・データ問い合わせなどの AI アシスト機能が各アプリに組み込まれている。

仕組み・アーキテクチャ

Sales や Customer Service などの CRM 系アプリは、共通データ基盤である Dataverse(旧 CDS)に顧客・案件・活動をテーブルと関連として保持します。一方、Finance や Supply Chain Management は専用のアプリケーション基盤で会計・在庫などを処理します。両者を連携するときは、dual-write のテーブル対応表で項目変換、同期方向、依存順、更新責任を明示します。

アプリは大きく二系統に分かれます。Sales や Customer Service などの CRM 系(旧 Dynamics CRM 系列)は Dataverse 上のモデル駆動型アプリとして動き、画面・項目・自動化を構成で定義します。一方、Finance や Supply Chain Management などの ERP 系(旧 Dynamics AX/Operations 系列)は専用のアプリケーション基盤を持ち、財務会計や在庫・生産といった重い処理を担います。両系統は Dataverse を介した連携(Dual-write など)でデータを同期します。

拡張は、ローコードの Power Platform(Power Apps での画面追加、Power Automate でのワークフロー)と、プロコードの開発(プラグイン、Web API、X++ などの拡張コード)の両面で行えます。SaaS として Microsoft がインフラと更新を管理し、機能は継続的にアップデートされる運用モデルです。

主なユースケース・向き不向き

向いているのは、すでに Microsoft 365 や Azure を中心に使っており、CRM だけでなく ERP まで含めて業務システムを一つの基盤にそろえたい企業です。Outlook・Teams・Excel との親和性が高く、営業からサービス、財務までを Microsoft のエコシステム内で連携させたい場合に選びやすい構成になります。複数アプリを横断したデータ活用や、Power BI での全社的な可視化を見据える組織にも適します。

一方、アプリの組み合わせや導入規模によって構成・費用・難易度が大きく変わるため、必要な業務範囲を明確にしないまま全面導入を狙うと複雑化しやすい点に注意が必要です。特に ERP 系は業務プロセスの見直しを伴う大規模プロジェクトになりがちで、CRM 単機能を手軽に始めたいだけなら、より軽量なサービスのほうが向く場合もあります。

CRM と ERP を分けて考える

Dynamics 365 は「CRM 系アプリ群」と「ERP 系アプリ群」で導入の重さがかなり異なります。Sales などの CRM から始めるのと、Finance などの ERP を入れるのとでは、必要な体制も期間も別物だと捉えて計画すると見積もりを誤りにくくなります。

競合・代替との比較

CRM 領域では Salesforce が、ERP 領域では SAP S/4HANA や NetSuite が代表的な競合です。ここでは CRM/ERP を一体で捉える立場が近い NetSuite と比較します。

観点Dynamics 365NetSuite
位置づけCRM と ERP のアプリを選んで組み合わせる業務アプリ群会計を核にした統合型クラウド ERP
強みMicrosoft 365・Azure・Power Platform との深い連携早くからのクラウド専業 ERP としての一体感
導入の進め方必要なアプリ単位で段階的に追加できる会計から始め範囲を広げる構成が中心
拡張Power Platform でのローコード拡張が広いSuiteCloud による独自カスタマイズ
相性が良い環境Microsoft 製品を中心に使う組織クラウドで基幹業務をまとめたい中堅〜グローバル企業

どちらも CRM/ERP を含む統合運用が可能ですが、Dynamics 365 は Microsoft エコシステムとの一体感、NetSuite はクラウド ERP としての完成された統合が持ち味です。既存の社内ツールがどちらの世界観に近いかが、選定の大きな分かれ目になります。

料金・ライセンス/エコシステム

ライセンスはアプリ単位・ユーザー単位のサブスクリプションが基本で、Sales や Customer Service などアプリごとにプランが分かれます。同一ユーザーが複数アプリを使う場合は、最初のアプリにフルの料金、追加アプリは割安、といった考え方が採られることが多く、利用するアプリの組み合わせとユーザー数で総額が決まります。具体的な金額は提供形態や時期で変わるため、必要なアプリ範囲を整理したうえで最新の料金を確認するのが確実です(OSS ではない商用 SaaS です)。

エコシステム面では、Microsoft 365・Azure・Power Platform との連携が中心軸になります。Dataverse を共通基盤として Power Apps・Power Automate・Power BI と組み合わせやすく、AppSource を通じて業種別ソリューションやパートナー製アドオンを導入できます。導入・カスタマイズは Microsoft パートナーが担うことが多く、要件設計から構築・運用まで支援を受けられる体制が整っています。

導入・運用上の注意点/評価

最初に決めるべきは「どの業務領域から、どのアプリで始めるか」です。アプリ単位で導入できる利点を活かし、まず営業支援など一領域から始めて効果を確かめ、そこから他アプリへ広げると、全社一括導入よりも無理なく進められます。Dataverse を共通基盤に据えるため、初期にデータ構造と項目設計を丁寧に行っておくと、後からアプリを足したときの連携がスムーズになります。

運用面では、ローコードでの拡張が手軽な反面、項目や自動化を作り込みすぎると複雑化しやすい点に注意します。継続的に機能更新が入る SaaS であるため、カスタマイズや連携が更新に追従できるよう、標準機能を優先しつつ拡張は必要最小限にとどめる方針が安定運用につながります。総じて、Microsoft 製品を軸に CRM から ERP までを一つの基盤でそろえたい組織にとって、段階導入と豊富な連携を両立できる有力な選択肢です。

必要なアプリから始める

Dynamics 365 はアプリ単位で導入できます。まず営業支援など一領域から始め、効果を見ながら他の業務アプリへ広げると、全社一括導入よりも無理なく進められます。

SaaSの選定ポイント

Microsoft Dynamics 365を実務で読む

TL;DRは入口です。実際に選ぶ・使う段階では、何を解決するか、何と比較するか、導入後にどこで詰まるかまで見る必要があります。

解決すること

営業プロセスの標準化

比較で見る軸

売上成長: +22%

導入後に効く点

アプリ間で顧客・取引先・製品などのデータを共有するため、営業で獲得した情報をサービスや基幹業務へ途切れず引き継げる。

先に潰すリスク

入力ルールと運用定着が必要

数字・仕様の読み方
売上成長
+22%
Dynamics 365 / FY26 Q3 前年比

判断チェックリスト

  • 自社の用途が「営業プロセスの標準化 / 営業・顧客対応」に近いか確認する。
  • 強みである「営業支援(Sales)、カスタマーサービス(Customer Service)、フィールドサービス(Field Service)、財務(Finance)、サプライチェーン管理(Supply Chain Management)、人事(Human Resources)など、業務領域ごとのアプリを必要な分だけ導入できる。」が本当に評価軸になるか確認する。
  • 注意点の「入力ルールと運用定着が必要」を運用で吸収できるか確認する。
  • 公開値や仕様値は、対象プラン・対象機種・対象リージョンまで確認する。
  • 既存システム、ID、ネットワーク、監視、バックアップとの接続方法を先に洗い出す。
  • 小さく試してから、本番移行、権限設計、障害時手順、コスト監視を決める。

次に確認する観点

営業プロセスの標準化営業・顧客対応CRM / SFA(顧客管理・営業支援)業務適合と定着クラウドサービス
参考: Microsoft IR
CRM / SFA(顧客管理・営業支援)の製品一覧へ