リファレンス

IT用語 読み方辞典

nginx って何て読むんだっけ」——チームで声に出した瞬間に読み方が割れる用語は少なくありません。 しかし、その多くは公式や作者がはっきり読みを表明しています。 読みが割れる用語や、声に出しにくい記号を、由来と根拠つきで引けます。

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ツール・製品nginxエンジンエックス

公式(作者 Igor Sysoev)が "engine x"。綴りから「エヌジンクス」と読まれがちだが、正しくは engine-x。

ツール・製品Kubernetesクーバネティス別の読み: クバネティス / 略記 k8s=ケーエイツ

ギリシャ語で「舵取り・操舵手」。略記 k8s は K と s の間に8文字あることから。ロゴが舵輪なのもこの語源から。

ツール・製品kubectlキューブシーティーエル別の読み: キューブコントロール / キューブカドル

読みが最も割れる語。Kubernetes 公式ドキュメントは "cube control"(キューブコントロール)を案内している。

ツール・製品Redisレディス

REmote DIctionary Server の略。作者 antirez は "red-iss"。「リディス」ではない。

ツール・製品systemdシステムディー別の読み: システムデー

"system daemon" ではなく "system d"。作者 Lennart Poettering が「d はデーモンの d だが、読みはシステム・ディー」と明言。

ツール・製品Debianデビアン

創始者 Ian Murdock と当時の恋人 Debra の名を合わせて Deb + Ian。

ツール・製品Ubuntuウブントゥ

ズールー語・コサ語で「他者への思いやり/人は人を通じて人になる」。南アフリカの思想が名前の由来。

ツール・製品Linuxリナックス別の読み: リーヌクス(作者の発音)

作者 Linus Torvalds の名から。本人の音声ガイドは「リーヌクス」寄りだが、日本では「リナックス」が定着。

ツール・製品GNUグヌー

"GNU’s Not Unix" の再帰的頭字語。公式に頭の g を発音し「グヌー」。黙字にして「ヌー」ではない。

ツール・製品Apacheアパッチ

ネイティブアメリカンの部族名から。初期に多くのパッチを当てた "a patchy server" の語呂という逸話も知られる。

ツール・製品Vimヴィム別の読み: ビム

Vi IMproved(vi の改良版)の略。「ヴイアイエム」ではなく一語で「ヴィム」。

ツール・製品tmuxティーマックス

terminal multiplexer(端末多重化)の略。

ツール・製品NoSQLノーエスキューエル別の読み: ノーシークェル

"Not only SQL"(SQLだけではない)の意で、SQLの読みに引きずられて後半が割れる。

ツール・製品SQLiteエスキューライト別の読み: シークェライト

公式の音声ガイドは "S-Q-L-ite"。前半 SQL の読みに応じて後半も割れる。

言語・DBSQLエスキューエル別の読み: シークェル

元は SEQUEL(Structured English Query Language)。商標問題で SQL に改名した経緯から "sequel"(シークェル)読みも根強い。

言語・DBMySQLマイエスキューエル別の読み: マイシークェル

公式は "My Ess Que Ell"。My は作者 Monty の娘 My の名に由来する。

言語・DBPostgreSQLポストグレスキューエル別の読み: ポストグレス(愛称)

前身 POSTGRES に SQL を足した名。長いので愛称 Postgres(ポストグレス)が実務では一般的。

言語・DBcharキャラ別の読み: チャー / カー

character(文字)の略。C言語界隈で読みが割れる有名論争で、「キャラ」「チャー」「カー」のどれも通じる。

言語・DBnullヌル別の読み: ナル

「値が無い」。ヌルはドイツ語読み由来で日本の現場に多く、ナルは英語読み。どちらも広く使われる。

言語・DBcacheキャッシュ

現金 cash と同じ発音。高級感を表す cachet(カシェ)とは別語なので「キャシェ」ではない。

言語・DBdaemonデーモン別の読み: ディーモン

ギリシャ神話の守護霊 daimōn から。悪魔 demon とは語源が別で、常駐プロセスの含意は「陰で働く精霊」。

言語・DBschemaスキーマ

複数形は schemata(スキーマタ)。「シェーマ」はドイツ語読み。

言語・DBtupleタプル別の読み: トゥープル

quintuple(5つ組)などの語尾 -tuple から。組を表す。

言語・DBenumイーナム別の読み: エナム

enumeration(列挙)の略。

言語・DBbooleanブーリアン

論理代数を作った数学者 George Boole の名から。真偽値の型。

言語・DBpseudoスードー別の読み: シュードー

「疑似」を表す接頭辞(pseudo-code など)。先頭の p は黙字。

コマンドsudoスードゥー別の読み: スドゥ

superuser do(または substitute user do)。他ユーザー権限でコマンドを実行する。

コマンドchmodチェンジモッド別の読み: シーエイチモッド

change mode(権限モードの変更)。「シーエイチモッド」と綴り読みする人も多い。

コマンドchownチェンジオウン別の読み: チャウン

change owner(所有者の変更)。

コマンドgrepグレップ

ラインエディタ ed の操作 g/re/p(global / regular expression / print)が語源。動詞化して「grep する」とも使う。

コマンドawkオーク別の読み: エーダブリューケー

作者3人 Aho・Weinberger・Kernighan の頭文字。テキスト処理言語。

コマンドsedセド別の読み: エスイーディー

stream editor(ストリームエディタ)の略。

コマンドlessレス

ページャ more の上位版として作られ、"less is more"(more より高機能)の洒落で命名された。

コマンドcronクロン

ギリシャ語 chronos(時)から。定刻でジョブを回すデーモン。設定は crontab(クロンタブ)。

コマンドfsckエフエスシーケー別の読み: エフセック

filesystem check(ファイルシステム検査)。字面から冗談めかして読まれることもある。

コマンドcURLカール別の読み: シーユーアールエル

Client URL。作者 Daniel Stenberg は英単語の "curl"(カール)と読む。"see URL" の語呂でもある。

コマンドsshエスエスエイチ

Secure Shell(暗号化した遠隔シェル)。綴りのまま読む。

記号!エクスクラメーション別の読み: バン(口語)

口語では "bang"。行頭の #! は「シバン(shebang)」と読み、スクリプトの実行系を指定する行のこと。

記号#シャープ別の読み: ハッシュ / パウンド / ナンバー

音楽の♯とは別字(正式にはナンバーサイン/オクトソープ)。英語圏では hash、電話では pound、SNS では hashtag。

記号~チルダ

Unix ではホームディレクトリを表す。「にょろ」と俗称されることも。

記号`バッククォート別の読み: バックティック

シェルのコマンド置換や Markdown のインラインコードで使う。前向きの引用符 ’ とは別物。

記号*アスタリスク別の読み: スター / グロブ

ワイルドカード。乗算にも使う。シェルでファイル名を展開する用途を「グロブ」と呼ぶ。

記号^キャレット別の読み: ハット / サーカムフレックス

正規表現では行頭や否定、多くの言語ではビットXOR。「ハット」は上に乗る形から。

記号|パイプ別の読み: バーティカルバー / 縦棒

コマンドの出力を次のコマンドの入力へ繋ぐ。二本 || は論理OR。

記号&アンパサンド別の読み: アンド

ラテン語 et(=and)の合字が語源。末尾に付けるとバックグラウンド実行、二本 && は論理AND。

記号\バックスラッシュ別の読み: 円記号(日本語環境の表示)

エスケープ文字。文字コード 0x5C が同じため、日本語フォントでは ¥(円記号)として表示されることがある。

記号_アンダースコア別の読み: アンダーバー(和製)

「アンダーバー」は和製英語で、英語では underscore。snake_case などで使う。

記号{ }ブレース別の読み: 波括弧 / カーリーブレース

ブロックやオブジェクトを囲む。丸括弧・角括弧と区別して「波」と付けるのが安全。

記号[ ]ブラケット別の読み: 角括弧 / スクエアブラケット

配列や添字。単に「ブラケット」と言うと角括弧を指すことが多い。

記号( )パーレン別の読み: 丸括弧 / カッコ

parenthesis の略で「パーレン」。関数呼び出しやグループ化に使う。

記号< >アングルブラケット別の読み: 山括弧 / 不等号

ジェネリクスやHTMLタグ。単体では大小比較の不等号。

記号@アットマーク(和製)別の読み: アットサイン

「アットマーク」は和製英語で、英語では at sign。メールアドレスやデコレータに使う。

記号=>ファットアロー別の読み: アロー

アロー関数(JS)やラムダ。細い -> は「アロー」で、ポインタのメンバ参照や返り値型に使う。

略語JWTジョット別の読み: ジェイダブリューティー

JSON Web Token。RFC 7519 が「英単語 jot と同じ発音を提案する」と明記している数少ない公式読み。

略語JSONジェイソン

JavaScript Object Notation。提唱者 Douglas Crockford は人名 Jason と同じ「ジェイソン」と発音する。

略語GIFジフ別の読み: ギフ

最も有名な読み論争。作者 Steve Wilhite は "jif"(ジフ)と公言したが、頭字語の G から「ギフ」派も根強い。

略語YAMLヤムル別の読み: ヤメル

"YAML Ain’t Markup Language" の再帰的頭字語。公式は camel(キャメル)と韻を踏む発音を挙げる。

略語SaaSサース

Software as a Service。同系で PaaS=パース、IaaS=イアース(またはアイアース)。

略語WYSIWYGウィジウィグ

What You See Is What You Get(見たままが得られる)。編集画面と結果が一致する方式。

略語GUIグーイ別の読み: ジーユーアイ

Graphical User Interface。英語では "gooey"(グーイ)と一語で読むことが多い。

略語OAuthオーオース

Open Authorization(認可の委譲)。"oh-auth"。認証(Authentication)ではなく認可の仕組み。

略語ASCIIアスキー

American Standard Code for Information Interchange。文字コードの基礎。

略語CRUDクラッド

Create・Read・Update・Delete。データ操作の4基本。

略語i18nアイ・エイティーン・エヌ

internationalization(国際化)。i と n の間の18文字を数字にした略記で、k8s と同じ命名方式。ローカライズは l10n。

略語regexレジェックス別の読み: レゲックス

regular expression(正規表現)。複数形 regexes、regexp とも綴る。

引く前に押さえておきたい3つ

  • 公式の読みがある語は意外に多い。GIF=ジフ(作者)、JSON=ジェイソン(提唱者)、JWT=ジョット(RFC 7519)、nginx=エンジンエックス(公式)。迷ったら根拠のある方に寄せると通じやすい。
  • 読みが割れても実務では困らない。char(キャラ/チャー/カー)や kubectl のように複数の読みが並存する語は、相手に合わせれば十分。「唯一の正解」に固執する必要はない。
  • 記号は声に出すときに詰まりやすい。#!=シバン、`=バッククォート、~=チルダ… コードレビューや口頭説明で効く呼び名を集めた。