採用に向く条件
選ぶ理由
- 大容量あたりのコストが低い
- アーカイブやバックアップに向く
- 既存サーバ・NAS との互換性が高い
磁気ディスクストレージ・大容量データを低コストで長期保存するストレージ
磁気ディスクを回転させてデータを記録する大容量ストレージ。ランダムアクセスは遅いが、容量単価に優れるため、バックアップ、アーカイブ、NAS、オブジェクトストレージの下層で使われる。
基本情報
選定ガイド
採用する理由と、事前に受け入れるべきトレードオフを分けて確認します。
採用に向く条件
事前に確認する条件
詳しい解説
HDD(ハードディスクドライブ)は、磁性体を塗った円盤(プラッタ)を高速回転させ、磁気ヘッドを動かして読み書きする不揮発性ストレージです。データの位置までヘッドを移動させるシーク時間と、目的のセクタが回ってくるのを待つ回転待ちがあるため、ランダムアクセスは SSD に大きく劣ります。一方で、円盤に連続して並んだデータを一気に読むシーケンシャル転送は得意で、容量あたりの単価が安いのが最大の強みです。回転数(5400/7200/10000rpm 等)が速いほど待ち時間は縮みますが、発熱と消費電力は増えます。
容量を稼ぐために、記録トラックを一部重ねて書く SMR や、ヘリウム封入で円盤枚数を増やす技術が使われます。SMR は容量に有利な半面、ランダム書き込みが遅くなりやすく、用途を選びます。近年はアーカイブや大容量ストレージで CMR/SMR を使い分けます。故障は突然起きうるため、単体で重要データを預けるのは禁物で、RAID やバックアップと組み合わせて冗長化するのが前提です。
| 観点 | HDD | SSD |
|---|---|---|
| 容量単価 | 安い(大容量向き) | 高め |
| ランダム | 遅い(機械待ち) | 非常に速い |
| 向く用途 | アーカイブ・バックアップ | OS・DB・高 IOPS |
すべてを SSD にするとコストが跳ね上がり、すべてを HDD にすると体感が遅くなります。高頻度アクセスは SSD、めったに触らない大容量データは HDD、と階層化(ティアリング)すると、費用と性能のバランスを取りやすくなります。
総じて HDD は、機械動作ゆえランダムアクセスは苦手でも、容量単価の安さとシーケンシャル性能でアーカイブや大容量保存を支える定番ストレージです。
選定・設計の判断材料
TL;DRは入口です。実際に選ぶ・使う段階では、何を解決するか、何と比較するか、導入後にどこで詰まるかまで見る必要があります。
バックアップ保存先
役割: 大容量データを低コストで長期保存するストレージ / 見る指標: 容量 / 回転数 / シーケンシャル速度 / MTBF / 消費電力 / ボトルネック: ランダム I/O・機械故障・振動
アーカイブやバックアップに向く
ランダムアクセスが遅い
選択肢
サーバ・ストレージ筐体向け
家庭・小規模 NAS 向け
大容量・低頻度アクセス向け
追記中心の大容量保存向け
利用場面