Azure Content Delivery Network
Azure CDN Standard from Microsoft(クラシック)は新規受付停止済みで、2027年9月30日に退役予定。新規はAzure Front Door Standard/Premiumを使い、既存構成は期限前に階層移行する。
- MicrosoftクラシックCDNは新規受付停止済みで、2027年9月30日に退役する。
- 新規はFront Door Standard/Premiumでキャッシュと経路制御を行う。
- 既存は規則・証明書・DNS・監視・IaCを並行検証して階層移行する。
解決する課題
Azure Content Delivery Network(Azure CDN)は、静的ファイルや動画を利用者に近い配信拠点へキャッシュし、遅延と配信元負荷を下げるサービス群でした。現在は製品世代ごとに退役が進んでおり、新規構成はAzure Front Door Standard/Premiumで作ります。
Azure CDN Standard from Microsoft(クラシック)は2025年8月15日に新規プロファイル作成と新規ドメイン登録を停止し、2027年9月30日に退役します。Azure管理証明書の対応も2025年8月15日に終了し、既存証明書の有効期間は2026年4月14日まででした。Edgio系Azure CDNは2025年1月15日にすでに退役しています。
主要概念と用語
- クラシックプロファイル:
Standard_Microsoftなど旧Azure CDNの設定単位。新規作成先ではない - Front Doorプロファイル: Standard/Premiumの現行構成単位。エンドポイント、オリジングループ、オリジン、ルートを持つ
- オリジン: Blob Storage、App Service、公開HTTPサーバーなど、元データを返す配信元
- キャッシュキー: パス、クエリ文字列、ヘッダーなど、別オブジェクトとして扱う条件
- 階層移行: MicrosoftクラシックCDNをFront Door Standard/Premiumへ変換する制御面の移行
- カスタムドメイン: 独自ホスト名。DNS、所有確認、証明書、ルートの対応を一体で確認する
仕様・制限・クォータ
- MicrosoftクラシックCDNの退役日は2027年9月30日。期限後の継続配信を前提にしない
- MicrosoftクラシックCDNは新規プロファイルと新規ドメインを受け付けず、Azure管理証明書も現在は使えない
- Front Door(クラシック)は別製品で、退役日は2027年3月31日。日付を混同しない
- Front Door Standard/Premiumはキャッシュ、グローバルL7経路制御、正常性プローブを統合する。WAFとPrivate Linkなど高度な保護はSKU差を確認する
- エンドポイント、オリジン、ルート、カスタムドメイン、規則の上限はFront DoorのSKU・サブスクリプションで確認する
内部の仕組み
横にスクロール
通常の要求は、利用者からFront Doorのエッジへ届きます。エッジはTLSを終端し、ルートを選び、キャッシュヒットならその場で返します。ミス時は正常なオリジンを選んで取得し、規則に従ってキャッシュします。
クラシックからの階層移行は主に制御面の変換で、公式手順では配信を止めずに進められます。ただし、構成変換だけでは利用側の検証は完了しません。
- 移行前検査で、未対応設定と移行先SKUを確認する
- エンドポイント、オリジン、ルート、規則、ドメインの対応を確認する
- 移行を確定し、現行トラフィックで応答・キャッシュ・証明書を検証する
- DNS、IaC、監視、運用手順を新しい資源名とAPIへ更新する
設計パターン / ベストプラクティス
- 新規はFront Door Standard/Premiumで作り、クラシックCDNを新しい依存先にしない
- キャッシュ可能な静的応答と、利用者固有・認証済み応答をルートと規則で分離する
- 版付きURLを使い、緊急時だけパージへ依存する
- 複数オリジンは正常性プローブ、優先度、重み、再試行時の副作用まで設計する
- 階層移行では、規則エンジン、クエリ文字列、圧縮、CORS、証明書、ログ項目を新旧で比較する
運用・監視
- Azure Monitorで要求数、キャッシュヒット率、配信元遅延、4xx・5xx、正常性プローブを監視する
- 診断ログをLog Analytics、Storage、Event Hubsの必要な保管先へ送る
- DNSと証明書の有効期限を、配信メトリクスとは別の監視項目にする
- 移行後はDevOps資源名、
Microsoft.CdnAPI、CLI・Terraform定義を更新し、クラシック参照を残さない
コスト
Front Door Standard/Premiumは基本料金、要求、配信量、配信元取得、規則、WAFなどで構成が変わります。クラシックの単価をそのまま移行後の見積もりへ流用せず、キャッシュヒット率、地域別転送量、オリジン数、WAF要件で再計算します。
セキュリティ
- MicrosoftクラシックCDNのAzure管理証明書に依存したままにしない
- Front Doorでは管理証明書またはKey Vaultの証明書を使い、所有確認用DNSレコードも監視する
- 非公開オリジンはFront Door PremiumのPrivate Linkなどを検討し、配信元の直接公開を避ける
- WAF、レート制限、ボット対策が必要なら要件に合うFront Door SKUとポリシーを選ぶ
- 認証後応答や個人情報には
private/no-storeを付け、共有キャッシュへ保存しない
関連サービス・比較
| 観点 | MicrosoftクラシックCDN | Front Door Standard/Premium |
|---|---|---|
| 新規受付 | 停止済み | 受付中 |
| 退役 | 2027年9月30日 | 現行世代 |
| 主な機能 | 静的キャッシュ中心 | キャッシュ・L7経路・正常性・WAFを統合 |
| 管理証明書 | 現在は非対応 | 対応 |
| 移行 | 期限前の階層移行が必要 | 移行先 |
ハンズオン / CLI例
クラシックCDNの新規作成例は使いません。既存資源と移行後のFront Doorを棚卸しします。
# 旧CDNプロファイルのSKUを確認
az cdn profile list \
--query "[].{Name:name,Sku:sku.name,Group:resourceGroup}" -o table
# 旧プロファイルのエンドポイントとホスト名を確認
az cdn endpoint list \
--resource-group my-rg \
--profile-name my-classic-profile \
--query "[].{Name:name,Host:hostName,State:resourceState}" -o table
# 移行先のFront Doorプロファイルを確認
az afd profile list \
--query "[].{Name:name,Sku:sku.name,Group:resourceGroup}" -o table
Azure Service
Azure Content Delivery Networkを実務で読む
TL;DRは入口です。実際に選ぶ・使う段階では、何を解決するか、何と比較するか、導入後にどこで詰まるかまで見る必要があります。
解決すること
メディア
比較で見る軸
クラウド: Azure / カテゴリ: メディア / 難易度: basic
導入後に効く点
新規はFront Door Standard/Premiumでキャッシュと経路制御を行う。
先に潰すリスク
サービス単体ではなく、権限、ネットワーク、監視、課金、バックアップを含めて設計する必要がある。
- クラウド
- Azure
- カテゴリ
- メディア
- 難易度
- basic
- 関連資格
- —
- 設計柱
- performance / cost / reliability / security
判断チェックリスト
- 自社の用途が「メディア / performance」に近いか確認する。
- 強みである「MicrosoftクラシックCDNは新規受付停止済みで、2027年9月30日に退役する。」が本当に評価軸になるか確認する。
- 注意点の「サービス単体ではなく、権限、ネットワーク、監視、課金、バックアップを含めて設計する必要がある。」を運用で吸収できるか確認する。
- 公開値や仕様値は、対象プラン・対象機種・対象リージョンまで確認する。
- 既存システム、ID、ネットワーク、監視、バックアップとの接続方法を先に洗い出す。
- 小さく試してから、本番移行、権限設計、障害時手順、コスト監視を決める。